Tech note 水中モデルの為の技術情報集
         
  Tech notes -part1 (001-040)  
         
 

001 始めに
水中モデルって難しい?それとも簡単?
それは難しくもあり簡単でもあります。でも何よりも自分が何を作りたいかというモチベーションが一番重要なんだと思います。最初は誰もが初心者であり分からないことだらけです。でも自分の好きなモデルを作るという気持ちと、これはどんな風に走るのだろうという好奇心があれば大抵の技術的な問題は解決できると思います。自分だけのオンリーワンを作りたい、その気持ちがあればきっと形になると思います。

 
         
 
002 水中でのバランスの話

どうすれば走るの?という素朴な疑問があります。基本的なことから考えてみましょう。進む、上昇下降、左右旋回、これが最低限必要な要素です。何らかの方法でこれらのことが出来たら後はバランス取りです。走行のメカの話は後にして、基本は浮くか沈むかです。

SF宇宙モデルの基本はニュートラルです。無重力状態のイメージですし、この状態に出来れば後は推進や舵といった方法で3次元機動が再現できます。とはいえ、水の場合水圧による浮力変化があり、深くなればなるほど浮力が減っていきます。

ですから水面近くで浮力が+-ゼロにすると水深が深くなるとマイナスになってしまい、沈みっぱなしになってしまいます。こうなると上昇させるにも推進力が多く必要になり操縦性にも影響してきます。浮かんでこないと何かあったときに回収するのも大変です。

ですから、全体的にややプラスの浮力があるのが望ましいのです。たとえばお風呂に沈めて50cm浮き上がるのに10数秒かかるような浮力を持たせれば水中で自在に走るようになります。これはモデルごとに違いますし、そのモデルにとって適正なバランスを調整できればどんな形でも水中で走らせることが出来ると思います。

003 水中でのバランスの話2

水中モデルの全長に対する前後の浮力バランスについても重要な要素です。前の方が浮くか後ろの方が浮くかによっても操縦性が変わります。前が沈み気味になれば進めば潜っていってしまいますし、後ろが沈めばなかなか潜りません。と言って完全に水平がいいか・・・というとそれもまた微妙な問題で船体形状によっても変わってきます。

基本的にやや後ろが下がり気味になる方が操縦するとき感覚的に操縦しやすくなる傾向はあるようです。

結局、船体形状、推進方式、操舵方式にも影響受けますから作ったモデルごとに地道に調整していくほかありません。でもそれがまた楽しいと言う面でもあります。

 
         
 
004 浮力材について1

船体内部を完全に機密状態にしてしまうのがドライハル。船体に水が入って必要なメカのみを防水にするのがウエットハル。ここでは私の常套手段のウエットハルの浮力バランスについて説明していきます。

メインドックにあるエンタープライズやヴォイジャーの内部写真に写っているグレーの適当に切り出した発泡素材、これが浮力材です。船体形状に合わせてきれいにカットして入れるという手もありますが、この大小様々な形の組み合わせが実は重要です。こうすることによって、増減で前後左右のバランスを微妙にとることが出来ます。

ヴォイジャーやエンタープライズの浮力調整はお風呂場で2~3時間かかります。更に微妙な調整を行うとほとんど半日風呂場にこもってしまいます。


実際、かなりシビアに会わせる必要が出てくるのは走行実験が済んでからになります。前後左右のバランスがとれていても実際動かしてみると全体的な浮力量を調整したくなります。実はそこからが結構時間がかかる作業となります。ここで増減をしていくわけですが、その時発泡素材を足したり引いたりします。

カッターで少しずつ切って足したり引いたりして、微妙にバランスをとっていって最後に強力両面テープで船体内部に固定します。


005 浮力材について2

浮力材として私が使用しているのが発泡スチロールブロック。ふつうの柔らかい発泡スチロールでは深度による圧力変化によって浮力の変化が大きくなります。

50cmや1mといった深度ではあまり問題にならなくても、1.5mやそれ以上では確実に水圧で浮力が減少します。浮力変化が大きすぎると水面付近でちょうど良くても深度が増えることでマイナス浮力になり浮き上がりません。

この時上げ舵で船体を上昇させねばならないわけですが、水面付近と深度が増えた時では操縦性ががらっと変わってしまいます。

そこで、たどり着いた素材が硬質発泡、発泡ブロックです。手で押しても少々のことではへこみませんし、カッターやナイフ、電熱カッターで簡単に加工が可能です。また、通常の発泡スチロールのように削りかすが出にくいので作業も楽になります。

潜水艦モデルではガスバラストタンクなどを積んで浮力を調整できますが、SFモデルの場合形状的にバラストタンクを入れるという余裕が無い場合がほとんどですし、船体形状が複雑な場合、タンク位置、メカ共に相当な時間と労力をかけなければ実現しないでしょう。

ヴォイジャーやエンタープライズAなどの動きを見て頂ければ分かると思いますが、バランス調整だけでそれなりの効果があります。SFモデルはたいていの場合ちゃんとバランスをとればいい感じに走らせられると言うのが私の持論です。

 
         
 
006 パワーユニットの話1

ヴォイジャーもエンタープライズAもヤマトもポンプを使っています。
ヴォイジャーとヤマトは灯油の汲み上げ用の電動ポンプ、A型はお風呂の水の汲み上げ用、どちらもホームセンターなどで安価に入手できます。

なぜ、ポンプを使うか・・・。外見的にスクリューがあるのはイヤだという理由もありますが実は製作を簡単にするというメリットの方が大きいのです。

スクリューなら船体に数ミリのシャフトを通す穴を開けるだけで、動いているときにはスクリューはほとんど目立ちません。しかも逆転させることでブレーキにもなります。ところが、モーターからギアを通してシャフトを出す水密加工はかなり難しいのです。

ラジコン潜水艦の泣き所がまさにここにあります。そのためにたもつ模型店で売っているようなWTCという水密ケースを使うのが手っ取り早い方法ですが、潜水艦のような形状ならともかくSFモノではWTCすら入らないことが多いのです。

灯油ポンプやバスポンプはもともと水没させて使うモノですから、少々加工するだけでSFモデルのパワーユニットとして使用できます。 この手間と自分で水密加工するのを比べると遙かに短時間にしかもコストも安く、さらには信頼性も高いパワーユニットが作れるのです。

メーカーによってはモーター交換が出来ないモノがありますから注意が必要ですがモーターをラジコン用のハイパワーモーターに交換することで必要十分なパワーユニットとして使用することが出来ます。

007 パワーユニットの話2

船体内にポンプを配置すると吸水の問題が生じます。ポンプは水を吸ってはき出すものですから当然と言えば当然です。船体のどこかに穴があいていないと水を吸込めません。

ヴォイジャーやエンタープライズでは船体窓のクリアパーツをいっさい取り付けていません。 これは、浮力バランスの上でも内部に空気を残さないと言う意味と、なるべくポンプの 吸水を助けるという意味合いがあります。 また、船体の多少の隙間もあえて埋めないようにしています。それでも吸水が足りずに船体のどこかに穴を開けなければならないこともあります。

ただ、穴の位置に関しては効率という面では多少不利にはなりますが基本的にあまりシビアにならなくても大丈夫です(経験的にですが)。位置よりもむしろ開いている面積の方が重要になります。

ヴォイジャーではディフレクタープレートを2mmほど前に出してその後ろに穴を開けて吸水していますし、それでも足りずに1cm角の穴を船体下部に開けています。ヤマトは窓がないのでポンプの吸水口の前の位置の船体下部に吸水口を開けています。

これはスクリューを使わない弊害という面もありますが、それでもモーターとギアユニットを自作で作るという手間を考えると致し方ないと思っています。

 
         
 
008 送信機の話1

水中モデルのラジコンで一番情報が少ないのはプロポ関係、つまり送/受信機です。これに関しては2010年時点で非常に重要なことがあります。この章の最後に説明しますから必ずお読みください。

「水の中って電波が届くの?」って誰もが最初に考えることだと思います。でも大丈夫真水なら届きます。現在日本で最高の走行環境は、アクアモデラーズのミーティングが行われているJAMSTECの潜水訓練プールです。25m四方の広さがあり最大深度は3.3mあり模型サイズの潜水艦、宇宙船などを走行させるには最高の環境です。この深度、広さでも問題なくラジコン操縦が可能なのです。 ただ、海水では塩分のため電波到達距離が非常に短くなると言うのが定説ですので海での操縦はやめた方がいいでしょう。万が一の回収も困難になりますから。

では、どのような送信機が必要かと言うことですが、まず知って頂きたいのは日本国内の法律では使用できる周波数が決まっており。大きく分けて陸用、空用と分かれていることです。

特に空用のラジコンは危険を伴う為操縦者も細心の注意を払って操縦しています。しかも空用のラジコンの電波到達距離はかなり長いため、操縦者の予期しない電波が混信しコントロール不能になると事故につながる危険が出てきます。河川などでラジコン飛行機が飛んでいる場所で、自動車やボートなどを空用の周波数で使用することは法律違反なだけでなく危険をともなう事になります。潜水艦は陸用/ボート用のカテゴリとなり陸用の周波数帯を使用しなければなりません。

009 送信機の話2

じゃあ、車に使われている送受信機を使うか、というとそうでもないところが難しい所です。潜水艦は基本的に3次元機動が必要になります。つまりスピードコントロールで1ch、潜水浮上で1ch、左右旋回で1ch、基本的に3chが必要になります。

つまり3種類の動作を同時にこなさなければなりません。ですから自動車用の2chは基本的に候補から除外されます。

私の使用している送信機はフタバの6ch送信機です。6chというのは元々飛行機やヘリ等の空モノ用の送信機です。前に空用は使ってはいけないって書いてあったんじゃあ・・・。

実は電波帯には27Mhzと40Mhz、72Mhzという3つの周波数帯があります。27メガは陸用、72メガは空用、そして40メガは陸用/空用とバンドによって分かれています。 そう、もともと40Mhz用の送信機は空用ですが、陸用の40メガのバンドを使用することが可能なのです。40メガの61番から75番までの8つが陸用として使用出来ます。(空用となっている送信機を陸用で使うのはもちろんメーカー推奨ではありません)

40メガにはボート用送信機というのもあります。これは基本的に空用とほぼ同じモノですからこちらを選択すると言うことも可能です。私は40メガ用のボート用と飛行機用の送信機を使い分けています。違いは左スティックがセルフニュートラルか(自動的に真ん中に戻る)か、戻らないタイプかと言うことだけですが。

この周波数を決定するのが送信機、受信機にセットするクリスタルです。同じバンドの送受信機用のセットを使用することで 送信機から受信機に情報を送る事が可能になます。

010 送信機の話3

送信機もいろいろな種類があります。メーカーしかりチャンネル数しかり、どういう選択をしたらいいかというのは悩ましいことです。

6ch用というのは飛行機やヘリ用のエントリーモデル、つまり初心者モデルです。
チャンネルの数が増えるというのはそれだけ同時に複雑な操作が可能になると言うことで9chやそれ以上のものもあります。ですが基本は6ch用で十分です。エントリーモデルとはいえ今の製品は細かな調整セッティングが可能ですし、何より通常操縦には3chしか使用しません。

ですが、ヴォイジャーのように操縦系統に4ch使うとか、エンタープライズのようにレーザー発射ギミックを追加すると言う使い方が出来るのでチャンネル数は余裕があった方がいいかもしれません。大型の潜水艦ラジコンなどはバラストタンクの注排水などや、魚雷発射メカや潜望鏡の昇降メカなどを組み込んでいる場合もありますので9ch以上必須という艦もあります。

さて、ここまでプロポに関して説明をしてきましたが、最初に書いた重要なことに関して説明していきます。
プロポに関しては昨今40Mhzから2.4Ghz帯に移行してきています。これはバンドの中の周波数の組み合わせがものすごく広がるので多くのラジコンマニアの方には魅力的な物となってきています。

ですが、この周波数がきわめて短い電波は水の中に届きません。私たちの実験ではせいぜい50cm程度のようです。これに関しては色々実験を重ねていますが現状では有効な手だてがないのが事実です。しかも国内メーカーは40Mhzのプロポの生産を中止してしまいました。

現状では40Mhzのプロポに関してはオークションで探すことしか出来なくなってきています。このままでは先行き新たな参加者が参入しにくくなるので我々も技術的に2.4Gで使用できる方法などを模索しています。

011 送信機の話4

40メガの送信機にPCMやPPMと言う表記があります。受信機もPCM用とPPM用があります、これは必ず同じモノを組み合わせる必要があります、更にクリスタルを見ているとシングルコンバージョンやデュアルコンバージョンと言った表記があります。ここでこの解説をすると長くなりますので気になる方はネットで調べてください(笑

PCM用の送信機にはPCM/PPMの切り替えがありますし、受信機もPCM用となっていなければ通常はPPM用(FM)です。クリスタルもシングルコンバージョンが基本になります。

簡単に言うとPCM用やデュアルコンバージョンのクリスタルはより高級?です。混線しにくかったり電波ノイズに強かったり電波が届かなくなったときにフィールセーフが働くと言うメリットがあります。その分値段も高くなりますが。

潜水艦の場合、回収不能になるような場所で操縦しないのであれば基本的なセットでも十分だと思います。

 
         
 
012 送信機/受信機の話1

送信機とセットで使用するのが受信機、これは基本的には同じメーカーでそろえるのが無難です。ですが、水中モデルの場合そうも言っていられないケースが出てきます。それは受信機のサイズの問題。

狭い船体内に多チャンネルの受信機を入れるとなるとなるべく小さいモノの方が有利となります。プロポに関しては生産終了となってしまいましたが受信機に関しては海外メーカーの物がまだ入手可能です。

私が通常使うのはパークプレーン用、つまり小型の電動飛行機用の受信機です。飛行機用は電波の受信距離も長く小型軽量なのでうってつけです。しかも5ch/6chの受信機が比較的安く入手できるのもメリットです。

もちろんこれにはやはり使用バンドがあり、40Mhz用の受信機が必要になります。それに40Mhz用の陸用クリスタルを使用します。72Mhz用の受信機は40Mhz用の送信機では使用できません。

また使用クリスタルも専用タイプというのもありますから注意が必要です。基本的に送信機と同じメーカーのクリスタルが使用できることが重傷です。

パークプレーン用の受信機は40Mhz用であればまず問題なく使用可能です。ただし・・・メーカー推奨使用方法ではありませんのであくまで自己責任です。(水中モデルというのはそういう意味ですべてにおいて自己責任の固まりのようなものですね。)

013 送信機/受信機の話(おまけ)

送信機と受信機、アンプ、サーボモーター、等をそろえると2万円から3万円になります。ベースモデルの費用以外に更に工具類も多少かかりますから結構なホビーであると言えます。

しかもすべて自己責任。ですが、自分だけのモデルを作るというのは満足度も高くなります。そして自分だけのオンリーワンを目指すには最高のカテゴリーであるとも言えます。創意工夫を重ねた、まさに大人のホビーであると思います。

私はトイラジ改造もやっていました。小型メカを手っ取り早くプラモに移す方法としてそれなりに効果もありました。しかし、水中に潜らせると電波の到達距離が極端に短くなってしまいます。 せいぜい操縦距離は1m~2m程度。これだと屋外ではほぼ遊べません。

パークプレーン用の受信機/アンプ/サーボなどはかなり小型化されていますし、うまく組み込めばプラモデル改造でも十分実用的になります。 私はトイラジ改造より本格的なR/Cセットで様々なプラモ改造をおすすめします。水中にはまだいろいろな可能性が残されていますから。

私の各モデルに使用機器を表記していますのでフタバの6ch送信機と40Mhz用の陸用クリスタルのセットで使える機器の参考になると思います。今の内ならまだヤフオクに40Mhzのプロポが出展されていたりしますからやってみたいと思う方は買っておいた方がいいかも・・・。

 
         
 
014 アンプ(スピードコントローラー)の話1

受信機に接続して使うのがアンプ、いわゆるスピードをコントロールするもの。このアンプにモーターを接続することで送信機からの信号に会わせて回転速度を変化させます。

これにはいくつかの種類があります。前進後進があるもの、前進のみのもの、ブレーキ付きのものです。前進後進があるものは自動車や船などに使います。前進のみのモノ、ブレーキ付きのものは飛行機やグライダーに使います。更にモーターサイズや使用電流によっても種類が分かれています。

私が主に使用しているのは飛行機用のアンプです。パワーユニットの話ではふれませんでしたが、灯油ポンプやバスポンプはモーターを逆転させても水流は逆転しません。つまり逆転させても無意味です。効率が落ちても水流は後ろに出ます。

ですから、飛行中のプロペラを逆転させるという発想のない飛行機用のバックなしアンプで十分なのです。しかも飛行機用のアンプの方が送信機のスピードコントロールスティックの反応にリニアに回転が上がり気持ちがいいです。ブレーキのありなしはほとんど関係ありません。アンプのブレーキはモーターグライダーでプロペラの回転を止めて折りたたむ為のモノですから、高回転のポンプの羽がいきなり止まってもどうと言うこともありませんしブレーキにもなりません。

たまたまブレーキ付きが安かったと言う理由ならそれもありかと思います。

さて、ここで最近の傾向としてモーターのブラシレス化とバッテリーのリポ化があります。バッテリーに関しては別のところで解説しますのでここではモーターの話について進めます。

灯油ポンプやバスポンプに組み込めるのはいわゆるブラシモーターです。灯油ポンプは280モーター、バスポンプは380モーターもしくは400クラスというモーターです。この改造に関してはBuleWorldと言うサイトに作成方法を寄稿していますのでそちらをご覧ください。

使用アンプに関してもブラシ用とブラシレス用がありますのでブラシ用アンプで尚かつニッケル水素バッテリーが使える物を用意する必要があります。海外メーカーのJETTIのアンプはその要件を満たしているアンプです。その他にも使える物もありますのでネットで探してみてください。

015 アンプ(スピードコントローラー)の話2

灯油ポンプの場合280のモーターを使っています。バスポンプの場合380のモーターを使用しています。飛行機のラジコンなどで言われる300クラス、400クラスのモーターと言うことになります。

ですから使用するアンプ自体はそれぞれに会ったモノを選択すると言うことになります。私のよく使うGWSのアンプでしたら300とか400という 型番のモノです。

ところが、ヴォイジャーは280のモーターで300のアンプを使用していますが、エンタープライズでは 400のモーターに600のアンプを使用しました。
アンプは発熱しますし、ぎりぎりの容量で使用するより一クラス上のを使用した方が安心だと、先輩の方に指摘されましたので一クラス上のものを使用しています。

アンプは使用時に発熱します。水密化されたメカボックスの中で使用するには注意が必要です。なるべく余裕も持って使用することと、可能なら冷却すると言うことです。冷却に関しては可能ならした方がいいと思いますが、あえて一クラス上の容量のアンプを使用することで多少問題が回避できるようです。

ただ、高電圧、高電流で30分走らせる場合は冷却システムを考えた方がいいと思います。私の場合、アンプのヒートシンクを外部に出して水冷で冷却するようにしています。

016 アンプ(スピードコントローラー)の話3

アンプとモーターの関係でもう一つ考えることがあります。
私が使う灯油ポンプは基本的に3vで駆動するモーターです。ヴォイジャーの場合バッテリー自体が高容量では無いため(7.2v900mAですが)フルパワーをかけ続けなければそのままでも使えることが出来ました・・・。が、

予想通りというか、当たり前ではありますが半年に数回走行させて最後にはモーターのブラシが溶けました。 この時、モーターだけならまだしも、接点がショートしてアンプ自体も焼けてしまいました。 全くとほほな話です。それ以来モーターは使用電流に合ったものを使用しています。

アンプまで一緒に逝ってしまうと結構つらいですからね。

 
         
 
017 サーボモーターの話1

サーボモーターというのは送信機のスティックに合わせて動作するモーターです。これは受信機に接続して使用し、主に舵を動かすという事に使います。

このモーターからリンケージを使い舵や潜舵、さらにはスイッチとして様々な機構を制御することが出来ます。私が使用しているのはライトプレーン用のマイクロサーボ、つまり超小型タイプです。

サーボモーターもアンプなどと一緒で水に弱い機器です。ですから水密ボックスを使用してその中に入れるのですが、その時大きいものだと水密ボックス自体も大きなものが必要になりますし、レイアウトも限定されてしまいます。

舵などのリンクも自動車のステアリングと違いあまり大きな力がかかりません。ですから超小型マイクロサーボでも十分使用できます。また、受信機やアンプと言った機器も飛行機用を使っていますからなおさら相性などの問題も出にくいのです。また価格も安く入手しやすいのも助かります。

全長90cmのエンタープライズでも飛行機用のマイクロサーボで十分役に立っています。見ていると大きな船体にこんな小さなサーボでいいの?って自分でも思いますが小さなサーボでも結構力がありますから十分に機能を果たしています。

018 サボモーターの話2

水に弱いサーボモーターを水中モデルに使うには、主に水密ボックスに入れて完全防水にして使用します。サーボモーターのホーンからリンケージを接続してボックス外にリンクロッドを出すわけですが、 ロッド自体とチューブの間にOリングやグリスをいれて防水加工を施します。

動力用のモーターと違い軸が回転しませんから防水加工は比較的簡単になります。ただ、サーボホーン自体が円を描くように動きますからリンクロッドもまっすぐ平行移動しないので、この部分に多少の余裕を持たせる必要が出てきます。このあたりが超小型サーボを使用しても水密ボックス自体を小型化しにくい原因でもあります。

そこで望まれているのが水密サーボ。これは水中モデルを作る人の夢ではないでしょうか。自動車や飛行機のように車体、船体にそのまま組み付けられたらモデル製作がずっと楽になります。

水密サーボ自体は製作方法を公開している方もいらっしゃいますので参考になれるのもいいかと思いますが、いったん浸水してしまうと動かなくなり操縦不能になるのはあくまで自己責任と言うことになります。

浸水した場合サーボをばらして水抜きして乾燥させるほかありませんが、動くようになるかどうかは運任せになってしまいます。ですからほとんど使い捨て感覚で使用することになると思います。

019 サーボモーターの話3

エンタープライズとヤマトにはこの改造水密サーボを使用していました。3.3mの水圧に耐え、一回30分の連続走行に耐えるようになりましたがそれでも改造には多くのリスクがつきまといます。

水というのはほんの少しの隙間などから入ってきます。目で見ててもまったく分からない状態で浸水するので始末に悪いです。こういう手間を考えたら水密ボックスに入れて使用する方が確実であると思います。

確かに数回程度の使用であれば改造水密サーボでもどうにかなりますが、長く使おうとすれば、やはりあまりにもリスキーすぎるので、現在は私も水密サーボケースを作ってサーボはその中に格納しています。防水能力も高くなるし、なにしろその方がトラブルはすくなくなります。

 
         
 
020 電飾の話

エンタープライズやヴォイジャーには多数のLEDが組み込まれています。このLEDには簡単な防水加工を施しています。LED本体からの接点を5mmぐらい残しカットし、そこにリード線をハンダ付けしていくわけですが、ハンダ付けした後に本体と接続した部分をエポキシ接着剤ですっぽり完全に固めてしまいます。

ハンダ付けしたまま水に入れても短時間でしたら問題ありませんが、走行時間+その後の乾燥時間を考えるとかなりの時間が水につかっていることになります。

そうなると短時間では問題が無くても、LEDの2本の接点が出ている本体との隙間、(あるかないか分からないような隙間なんです)から水が入るらしくLED自体が点灯しなくなってしまいます。こうなるともうLED自体使用できません。

ただしこの部分の防水は可動部分ではありませんから完全に固めてしまえばどうと言うこともありません。数が多くなるとそれなりに手間ではありますが・・・。
水中モデルは至る所が水との戦いになります。

021 電飾の話 (追加)

LED自体は高輝度の白色タイプを主に使っています。じつは、これが結構意外なところで手間をかけてくれます。

モデルの成型色が白とかだとまず船体自体の遮光をしなければなりません。暗いところで内側から光りを当てると光りが透けてきます。 これはエンタープライズのような白色の船体では結構目立ちます。LED自体を組み込むこと自体はさして難しくはありませんがこの遮光に結構手間がかかります。

まず船体裏側をすべて黒のラッカースプレーで塗りつぶし、乾燥した後更につや消しの白で上塗りします、 LEDの指向性をなくすために拡散キャップをかぶせるようにしていますが船体内の反射でなるべく全体的に光らせる為にこうする必要があります。

ただし、これはメカを組み込む加工をした後にやらないと後から塗った塗装を削ってメカボックスの固定用支柱などの接着が出来なくなります。ですから、組み込みに関しては行程を考えてきちんと順番を把握してから行うほかありません。

どこをどう光らせるか、何個のLEDを使うか、配線をどうするか、抵抗はどのくらい必要か、バッテリー配置をどうするか、走行系のメカを入れた上で考えなければならないことが山積み。電飾を使うのはある意味、走行モデルを作るよりめんどくさい作業ではあります。

 
         
 
022 バッテリーの話 1

船体の中でかなりの重量がとられるのがバッテリーです。ヴォイジャーはスペース的に単4ニッケル水素を6本パックして使用しています。これはモーターが300クラスであるという事を考えるとかなり少ない容量です。

実際走行時間は約30分程度、十分とも言えますが、若干パワー不足であるのは否めません。ただし、アンプやモーターへの負担が少ないため安心して走らせることが出来ます。

エンタープライズはモーターが400クラスのため単3のニッケル水素を8本使用しています。本来はもう少し大きなバッテリーを使用したいところではありますがバッテリーケースが入る場所は円盤部の中央のスペースです。パワーと容量のバランスを考えると致し方ない選択だと思っています。

エンタープライズに関してはバッテリーをパックしていません。バラバラのセルをボックスに入れて使うようにしています。これはバッテリーの入手が容易であると同時に、充電に家庭用の充電器が使えると言うメリットを優先したためです。

どこでも入手できるような材料や電池を使うというのも一つポリシーとしてはありかと思っています。

023 バッテリーの話 2

エンタープライズは400クラスのモーターを使い9.6vという電圧をかけています。
しかし、バッテリの負担が大きくかなり発熱します。

最初メカだけのテストを行ったときにはアクリルで作ったバッテリーボックスが・・・溶けました。やはり8本をパックにするしかないとは思いましたが(その方が簡単だし)やはり専用充電器ではない一般用でやりたいという思いが強くベースは溶けたりしない木(樫の木の板)にして接点を強化し、更に水密電池ケースをアルミで放熱を上げて(これもある意味水冷)使用しています。

充電用とはいえバッテリーも消耗品です。どこでも入手できて安価な方がいいに決まっています。ですからここはこだわってみました。

ヴォイジャーは6本7.2vのパックにしてラジコン用のAC充電器で充電しています。確かにこの方が簡単なんだけど・・・。

024 バッテリーの話 3

リチウムポリマー電池、いわゆるリポ電池ですが、継ぎ足し充電が出来たりと便利な充電池ではありますが、水に濡れるとまずいとか色々制約があるようです。小型で高容量なので魅力的ではありますが、バッテリーボックス自体の防水も100%とは言えませんから私はまだ使用していません。ですから私の基本はニッケル水素です。リポに関しては発火事故などを防ぐために取り扱いには十分注意しないければならないようです。

また、どのくらいの電池を使用するかはモーターの大きさ、アンプの容量によって変わりますから一概には言えませんが、 連続走行が20分から30分出来れば十分楽しく遊べます。モデルによっては超小型の物を使って5分程度という選択肢もありだとは思います。

バッテリーサイズに関してはラジコンショップを覗いてみると結構いろいろな大きさのバッテリーがありますのでそういう中から選択するという手もありますし、たとえば9.6V用の8セルパックをばらして6セルで使うと言う手もあります。
(どんどん自己責任の範囲が広がってきますが・・・。)

あとスイッチ付きアンプを使う場合、バッテリーを繋いだ状態でスイッチが切ってもわずかな電流が流れていて長時間そのままにしておくとバッテリーが過放電してダメになってしまうので注意が必要です。

私の場合スイッチは基本的にバッテリーを完全に切り離すという方法をとっています。これなら走行会にバッテリーを入れたまま持ち込めますから。

 
         
 
025 スイッチの話 1

さて、内部のメカの話が続いてきましたが、それらを入れる防水ケースの話の前にスイッチの話をしましょう。

防水ケースは文字通り水密化されてアンプや受信機を入れるケースですが、これは完全に水密化する必要があります。 ではスイッチはどうでしょう?

私の場合ヴォイジャーはリードスイッチを使用した防水タイプ、ヤマトはマグネットを利用した防水タイプですが、エンタープライズは・・・コネクタのみ。コネクタの 抜き差しでオンオフしています。ヴォイジャーは円盤部のスラスターがスイッチになっていて押し込むとオンで、引き出すと オフになります、左右で電飾と走行系と2つのスイッチがあります。

ヤマトやエンタープライズは防水化していない単なるコネクターです。
そう、防水タイプでは無いのです。

海外キットのRC潜水艦の場合バッテリー自体は水密化されていますが電源ターミナルはむき出しで接続されているそうです。実はアクアモデラーズのRNさんに色々お聞きしたところ、水道水の抵抗値が150kΩ程度なので水でショートしたりしませんし、漏れる量は無視しても体制に影響がない、と言うことだったのでエンタープライズでは製作作業時間短縮のためにスイッチをやめました。

実際、やってみるとスイッチトラブルから解放される現実的な選択ではありました。

026 スイッチの話 2

船外から操作するにはマグネットスイッチが便利ですが、これは機構的にオフにしてもマグネットスイッチ自体もわずかですが電気を必要としていますので、完全にバッテリーから電気を切れません。完全に遮断するには雲山さんのようにマグネットスイッチを単独でボタン電池駆動にする必要が出てきます。

エンタープライズの場合、走行後バッテリーが熱くなっているので 円盤部を分解しバッテリーケースの蓋を開けて冷やす必要があります。ですから船体を開けないでオンオフする必然性があまり無かったのです。まあ、手抜きといえば手抜きですが・・・。

じゃあ、防水じゃなくてもスイッチなら何でもいいのかというとそうでもありません。スイッチ自体水没して使用しても問題ありませんが、時間がたつと接点が錆びて通電しなくなります。 ですから市販のスイッチがそのまま使えないわけです。

私の場合電気結線用のコネクターを使って抜き差しでオンオフしていますが、アルミやステンレス素材を使って自作スイッチを作れば錆びませんし、用途に合わせたタイプのスイッチを自作して使うことも可能です。


 
         
 
027 水密ケースの話 1

私の作った艦の内部写真を公開していますが、メカを入れたり電池ボックスにしているのが自作水密ケースです。

これは完全自作しているわけですがもちろん何かのケースの流用でも可能です。ですが、私の基本ポリシーはいつでも入手可能な素材で自作することです。

何かのパーツ流用ですとそのパーツが入手できなくなると作れなくなってしまい、改修や修繕するときに不都合が起こります。 ですから可能な限り自作できる物は自作しています。サイズや搭載方法に合わせたケースも必要になりますから自作した方が都合が良いのです。

とはいえ、私の艦の内部写真を見てすごいとかきれいに作っていると思う人はいないと思います。本人もそう思っていますし、実際巨匠と言われるRC艦隊さんtamo2さんほど工作技術があるわけでもありません。それでも見た目じゃなくて実益をとることを考えるならばこれでも十分役に立っています。

私の場合、機能的につかえればそれで十分 だと思っています。きれいに作れればその方がいいに決まってますし、人にも自慢できるでしょう。ですが、私の場合モデル自体を動かすことが最重要課題ですし、作るより動かす方が好きだということが基本になっています。

028 水密ケースの話 2

ヴォイジャーの場合はアンプ、受信機、サーボを一つのケースに入れたメカボックスになっていて、ヤマト、エンタープライズはアンプと受信機が入るボックスでサーボは別になっています。

これはどちらがいいと言うことではなく、船体形状と間かレイアウトの関係でそうなっています 。ですが、基本は同じ作り方になっています。

簡単に解説すると、2mmのアクリル板を箱の面のパーツに切り出して組み立てると
言う方法です。構造は至極簡単です。ヤマトに関しては本当にただの箱です。アンプと受信機が入るサイズのアクリルの箱を作り、アンプや受信機からのケーブルは箱の面にドリルで穴を開けて出しています。アンプと受信機は中にセットしたら蓋をして接着してしまいます。

こうするともちろんクリスタルの交換は出来ませんし、何らかのトラブルがあったときには箱をばらす必要が出てきます。ヴォイジャーやエンタープライズには3mmの真鍮ビスを使って蓋の部分をビス止めしてクリスタル交換を可能にしています。

アンプや受信機はあまり無茶な使い方をしない限り早々壊れる物ではありませんから割り切りと考えればこれでもいいと思っています。

029 水密ケースの話 3

そうはいっても、浸水したりメカを交換したりする必要も出てくるときもあります。その時は完全接着した場合蓋を無理矢理こじ開ける訳ですが、その時に必要なのはなるべく簡単にはがせる接着剤です。

簡単にはがせて、しかも完全に水漏れを防いでくれる接着剤・・・そんなものがあるのか?というと実はあるんです。

私の使用しているのは弾性エポキシ接着剤、セメダインのEP001です。これは2液混合タイプで硬化時間は40分前後。乾くと弾力を保ちながら完全に水の侵入を防いでくれます。

しかも蓋とケースの隙間に慎重にカッターを入れるとカッターで切れていきます。途中からは本当に力業でバリッと剥がすわけですが、剥がした後の接着剤の残りも爪などでこすればきれいに剥がれます。剥がしてメカを修繕した後はまた同じように接着すれば大丈夫です。

隙間埋めなどは、2液混合直後に流し込みで使用し、接着には混合してから5分程度待って使用すると使いやすいようです、メカボックスを作るときは接着してから24時間ぐらい乾燥させて使用しています。

この方法で作ったヴォイジャーのメカボックスはすでに6年近く使用していて問題ありません。心配な方はケース完成後継ぎ目にバスコークを塗って更に耐候性を上げると言うことも可能です。

030 水密ケースの話 4

バッテリーケースはアクリルではなくアルミ板を使用して作ります。これは文章では細かく説明できないので、おおざっぱに説明します。

私がアルミ板を使用し始めたのはヴォイジャーの電飾電池ケースを作るときです。アクリル板の2mmだとどうしても船体内部に収まりません。1mmどうしてもサイズが厚かったんです。これはもうぎりぎりで電池を特殊サイズの小型のものにするしかなかったのですが、どこでも入手できるバッテリーというコンセプトにこだわった末見つけたのが0.5mm厚のアルミ板です。

大きなケースを作ると強度不足になりますがバッテリーを入れるだけなら十分な強度が保てます。 しかもエンタープライズのようにバッテリーが発熱する場合熱伝導によって水で冷却できるので好都合です。

作り方はアクリル板より簡単で、アルミ板に展開図を書きアクリルカッターで筋をけがいて不要部を切り取り折り曲げて組み立てます。もちろん電池を交換しなければならないので蓋の部分とねじ止めには補強としてアクリル板を使用します。

折り曲げて組んだ隙間には裏側から補強剤とEP001を使用し防水加工します。この辺の作りは創意工夫で色々考えてください。

031 水密ケースの話 WTC 1

メカを入れる水密ケースとしてWTCと言う物があります。ウォーター・タイト・シリンダーという円筒形の筒にモーター、受信機、サーボ等を入れてしまうケースです。海外から入手する方法もありますが日本ではたもつ模型店で販売されています。完成品もありますしキットもあります。

汎用タイプはオールインワンでメカとバッテリーが入りますのでいわゆる潜水艦には手っ取り早い方法です。ダイナミカルダイブの模型改造なら私でも迷わずこれを使います。精度も高いし信頼性もあります。入門用にはうってつけなメカです。

上級者はガスバラストタイプのWTCもありますので本格的な潜水艦づくりを行うことが出来ます。

WTCが船体に入るモデルはトランペッターのシーウルフやキロ級と言った物がありますし、船体キットはたもつ模型でも扱っています。初心者は何から何まで自作するのは大変ですのでこういう手段があると言うことも知っておいた方がいいでしょう。

私の場合もアクアレーサーにはWTCを使用しています。

032 水密ケースの話 WTC 2

なぜWTCを進めるかというとスクリューに繋ぐギアシャフトの水密というのは一般に想像するより遙かに難しいからです。

水圧がかかり、なおかつシャフトの回転が加わるとここからの水漏れは一筋縄ではいきません。自作することも可能ですがそれなりの知識と工作技術が必要になります。たもつ模型店のtamo2さんもこの点を研究されていてメンテナンスさえきちんと行えば、水もれもなく安心して使用できます。

水はほんのわずかな見えない隙間から入り込みます。水中モデルはまさに水との戦いでもあります。 その苦労を考えたらWTCというのは間違いなく第一の選択肢となっていると思います。

私の場合、作りたいモデルがWTCには不向きな形状ですからあえて自作の道を歩んでいますが、この存在と原理を知ることもいろいろなパーツづくりに大いに役立っています。

 
         
 
033 水密の話 1

ところで、なぜ水密にしなければならないのでしょうか。

ラジコンには多くの電気回路が使われています。各々の回路は電気信号の種類や強弱で動作を指示しています。それが水に濡れてショートしたり、流れるはずの電流が水に流れて正常に動作しなくなります。これがまず問題。それと、接点や基盤が錆びると電気が流れなくなり動作不良、誤動作がおこります。

そんな当たり前のことは誰でも分かるよ、と言われそうですがそれが分かっていても水への対処法を知らないと機器の破損を招きます。

WTCを使う場合はWTCのみの水密を注意していればいいのですが、水密ケースを自作するときには思わぬ所から水漏れがおこり、原因と対処に時間と労力をつかうはめになります。

私の使っている分散型水密ケースというのはまさにこの危険の固まりです。モーターはポンプを使うとして、アンプと受信機、バッテリーと各々の水密ケースが最低必要になります。アンプと受信機(あるいはサーボも)のケースはクリスタル交換やメンテ用のハッチが必要になり、バッテリーケースにはバッテリー交換用のハッチが必要になります。

さらに各ケースを結ぶ電線、サーボからのリード線などWTCに比べ水漏れの危険が飛躍的に増えていきます。初心者の方にWTCを進めるのはこのことがあるからです。ですが、そんなことを言ってたら好きなモデルを作れなくなってしまいますよね。

034 水密の話 2

そこで必要なのが水漏れしないケースです。(あたりまえですが・・・)

ケース自体は水密ケースパートに書いたようにアクリル板と接着剤の組み合わせで防水化は大して難しくありません。ところが、メンテナンスハッチをつけたり、バッテリー交換用のハッチをつけるのが一苦労です。

私の場合、ケース側に3ミリの真鍮ねじを組み込んでハッチ側に穴を開けて、ねじを通してナットで固定する方法をとっています。この作業は電気ドリルがあれば大して難しくはありませんがこのパッキンをどうするかが大きな問題です。ゴムパッキンでいい場合とそれでは防げない場合が出てきます。これはケースのサイズや蓋の固定方法で変わるので一概には言えませんがいろいろな方法を試してみる必要があります。

そして、アンプや受信機、サーボのケーブル関係をどうするか考える必要があります。分散型ケースは基本的に防水されるのはアンプや受信機本体のみですから、そこからのケーブルはケースに穴を開けて外に出さなくてはなりません。この穴とケーブルの部分はEP001等で完璧に防水処理は可能になります。

バッテリーやモーターなどはそのケーブルの先に電源コネクターをつけて、バッテリーやモーターに接続するという方法がとれます。モーターとバッテリーに関してはコネクターが水密化されていなくても特には問題ありません。ところがサーボのケーブルの延長には注意が必要です。サーボケーブルには信号用のケーブルがあり、ここが漏電すると正常に動作しなくなります。 これだけは特に注意する必要があります。サーボ自体も可能なら同じ水密ケースに入れてしまう方が安全です。

035 水密の話 3

さて、このケーブルに関してですが、ケースから出す穴とケーブルの隙間の水密が完璧でももう一つ注意点があります。それはケーブル自体です。

ケーブルの先にコネクターをつけるとして、ケーブルの芯は多芯構造になっています、これが問題。このケーブルの先から水がアンプ内部へ侵入してしまうのです。あるいは受信機のアンテナ、感度をよくしようとしてケース外に引き出すのですがこの細いアンテナの先端部、ここも水の侵入口になります。

対処法としてアンテナの先端部や、ケーブルの先の芯が露出している部分と被覆部分の隙間に瞬間接着剤を流し込んで毛細管現象を防ぐという方法があります。あるいは先端部からハンダをしみこませて防ぐことも可能です。

この部分は盲点なんです。しかも短時間ではしみこまないため、そのまま走らせて気がついたときには動作不良を起こして動かなくなると言うやっかいなことが起こります。これはバッテリーケースも同じですから、こういう気がつきにくい所まで考えて作るという事が必要になります。

私自身これに気がつくまで何回もケース自体の水密をやり直したりしました、でもいくら完璧だと思ってもやっぱり漏れてくるので分散型をあきらめようかとも思いました。何かあったときには冷静に対処するのと原因をとことん突き詰めて考えるという根気も必要になります。

036 水密の話 4
万が一漏れてしまったら・・・

とにかく中の水を出して一晩以上通気が良いところで乾燥させましょう。完全に乾いたら問題なく動くケースがよくあります。

受信機は比較的水に濡れても壊れることが少ないですし、飛行機用のアンプも多少水がかかっても完全に乾燥させると動く場合がよくあります。水漏れ、即アウトではなく乾燥させて様子を見ましょう。

私の受信機やアンプは3回水につかって立ち直っています。(ほめたことではありませんが)

ただ、小型の自動車用アンプなどは水漏れ即アウト、と言う物もありますからまず漏れないように工夫して、漏れてしまったときには冷静に対処しましょう。私だけでなく、現在巨匠と呼ばれる方々も必ず通った道ですから・・・。

 
         
 
037 船体補強の話 1

プラモ改造の場合問題になるのが船体補強です。最初は大丈夫でも歪みやズレ、あるいは強度不足による破損などディスプレイモデルとして作られているキットには水中モデル化は過酷です。夏の炎天下ではプラスチックは変形してしまいますし、プールの底に擦っただけでも傷だらけになってしまいます。

とはいえ、プラスチックですから水に入れても腐ったり錆びたりしないのがいいところ、問題は電池交換などでどこかの蓋を開けなければならず、どうしても全体的な強度の確保が難しくなってしまいます。

WTCにしろ分散水密ケースにしろバッテリーやメカはかなりの重さがありますから船体自体きちんと補強しておく必要があります。

私の製作したヴォイジャーは船体内のメカの収納をアルミベースのシャーシを作ってメカ自体はそこに搭載してそのシャーシを船体に固定するという方法をとっています。

もちろんプラですからどこにシャーシを固定するかというのは考えねばなりませんが一番曲げなどに強そうな所に固定用のビスをつけてシャーシをナットで固定しています。

また、船体のつなぎ目合わせ目などにはエポキシパテとアルミ板で補強をし、船体自体にも強度を出す工夫をしています。

038 船体補強の話 2
船体補強にアルミ板は好都合です。軽量で錆びにくく加工が容易だからです。

1/500や1/350のヤマトなどでも船体が張り合わせのため、つなぎ目部分の接着では強度的に不安が生じます。そこでつなぎ目の所にエポキシパテを塗り、その上からアルミ板の板をエポキシが乾く前に張り付けてエポキシパテ+アルミ板で補強しています。

張り合わせ補強には0.5mm厚のアルミ板を使用し、シャーシとして使用するときには0.8mm厚のアルミ板を使用しています。

アルミ板はホームセンターなどで容易に入手可能ですし比較的安い素材なので使い方を覚えたら手放せない素材になります。

ただし、船体全部を内側から補強と言うことになると受信機用のアンテナはその外に出さねばなりませんし、金属ですから強度的に十分ですので部分的に使用するだけで十分効果が期待できます。ステンレス板でもいいのですが、重量と加工の難しさでおすすめできません。

船体補強は作ろうとするモデルに合わせて臨機応変に考える必要があります。

039 船体補強の話 3

エンタープライズAのように大型の場合は更に工夫が必要になります。

この艦の問題は第2船体と円盤部を繋ぐネック部分と円盤部の接合部分、 第2船体とパイロン部分の接合部。共にバッテリーなどの重量物を配置してしまったため、この部分にかなりの力がかかります。こうなると更に強化する必要が出てきます。

大型のモデルとしては、オリジナルのままでもなかなかいい補強方法で設計されていますが、いずれにしろメカを搭載するにはこのままでは無理。そこでいくつかの複合材料で強化しています。

まず円盤部後方は重いバッテリーを支えるためアルミ板で補強。ドーネルサックを貫通させた5mmのアルミパイプで船体と円盤部の金属プレートに固定し強化。パイロン内部は5mmのアルミパイプで軽量でありながら十分な強度を確保。接続部分は3mm真鍮棒でがっちり船体と固定。

ワープナセル自体はパイロン部に埋め込んだ3mm真鍮ビスとナットで固定。水中での抵抗による力を十分受け止められるようにしています。

本来なら、海外のサードパーティーキットの補強具のように一体化して固定する方が確実ですし安心ですが、船体内部自体がメカで一杯になるため一体化した補強板
の設置は不可能です。しかも金属プレートでは重量増につながり、船体の隙間に詰め込む浮力材だけでは浮かないかもしれません。

補強、メカの収納、浮力材のスペース、この3つのバランスをうまく折り合いをつけてとることが水中モデルの難しさになっています。

040 船体補強の話 4

エンタープライズAの場合更に不確定要素がありました。

船体内のバッテリー、水中ポンプなどかなり重量があるので水中での浮力バランスがとれるかどうかです。組み立ててから浮かない、バランスがとれないと言うことになると最悪です。

私の基本的なバランスの計算方法ですが、各部ごとに重量を出してそれに必要な浮力材の量を決めてその浮力材が内部に配置できるか、というやり方です。

私の使用する硬質発泡スチロールは1gで約100gの物を浮かすことが出来ますから円盤部、第2船体、パイロン、ワープナセルという部分ごとに計れば基本的に大丈夫なはず・・・。ですが、こういう複雑なデザインの場合単純にはいきません。

各部が浮くと言うことと水中での走行バランスがとれているというのは別です。
組み上げてからの場合、 あとからバランスがとれるのは開閉できる円盤部とワープナセルだけだからです。

場合によってはネック部分や第2船体、パイロン内部にも浮力剤の充填が必要になるかもしれません。そこで、船体の組み付けはすべてビス止めにして完全に分解できるようにしました。接着部分がないと強度的に不利になりますので走行試験まではその状態で行うようにしました。


結果、実際はほぼ計算通りでしたが、ビス留めのままだとやはり強度が持たないためプラリペアを使って徹底的に補強することになりました。